2015.5.23
arco-iris 近藤マリコさんレザーアクセサリーブランドarco-irisのデザイナー、近藤マリコさん。
手芸の世界で「革」というと、焦げ茶色のヴィンテージ風味なものが多かったのですが、
近藤さんの作品はとてもカラフル。
革の高級感は残しつつ、ポップな作風がとても印象的でした。
ゆっくりゆっくり作った本は、2015年1月
「LEATHER ACCESSORY RECIPE 革でつくるアクセサリーのレシピ」
というタイトルで出版されました。
基本は、好きな形に切って、塗って染めて、金具をつける。
ハードルが高いと思われがちなレザークラフトが、ぐっと身近になる1冊です。
そんな革の手作り楽しさをより多くの方に知ってほしくて企画したのが、今回のキットです。
近藤さんのこだわり、ぜひぜひ感じてみてください。
まず、色がかわいいですよね!
これは、アルコール染料でひとつひとつ染めています。
元々、造花を習っていたんです。
コサージュなんかを作っていたんですが、その布が革になっただけというか。
これ、分かりやすいんですが、染料がフチにたまるんです。
端の部分が少し濃くなる。
今回の花びらも同じようになっています。
アルコール染料のいいところは、すぐに乾くところ。
とっても扱いやすいですよ。
粉の染料を配合して……という方法もあるのでやってみたんですが、
空気中に舞って色が生地についてしまったり……。
だから私はアルコール染料が好きです。笑
すてきだなーと思う色の作品が多いですが、どうやって決めているんですか?
……感覚です。笑
計算してるとは思ってないです。笑
試し塗りして、乾くと色が薄くなるので待ってから確認して、いい感じだと「やばい、もっと作っておけばよかった」と思ったりして。
確かに同じ濃度にするのは難しそうです。
染料も、使い始めと終わりだと変わったりしますし。
完全に感覚ですね。
このグラデーションにも秘密があるんですか?
このにじんだ感じは、薄い色から染めていきます。
筆に染料を取って色を入れるんですが、いきなり濃い色を入れると「線」になってしまうので、
うすい黄色、うすいピンク、さらにうすい黄色、ピンク……
と繰り返し色を入れます。
そうしないとにじみ方がにごるんですよね。
ふわっとした色にするには、繰り返し繰り返し薄い色を重ねます。
繰り返しですが、乾くと色が薄くなるので、乾くのを待ってからまた色を重ねます。
仕上剤でも、色がかわるんですよ。
ピカピカしたのが好きじゃないので、マットなものを選んでいます。
塗る前はもう少し白っぽくアンティークな雰囲気なんですが、少しはっきりしますね。
もちろん、退色や色移りを防ぐ、という目的がメインなんですが。
素材そのものについて聞かせてください。
花びらには、白牛革を使用しています。
造花用の0.4mmというとても薄いものです。
これ以上漉けない、というくらい薄いです。
漉き屋さんには、0.6mmでもきついと言われることもあります。
これはこの厚さで買ってますが、すごい技術だと思いますよ。
あと、純白の牛革、やっぱり高いですね。笑
原皮(げんぴ)がきれいじゃないと成り立たないから。
傷が無く、きれいに脱色してないとダメですからね。
この白牛革、そのまま使っていると経年変化でクリーム色になってきます。
今回は染めてしまっていますが、それも魅力のひとつです。
幾何学模様についてもきかせてください
シェイプパンチという道具を使って抜いています。
これ、普通は革に穴をあけて模様を描くための道具です。
ですから、この小さなパーツ達は言うなればゴミです。笑
ゴミ…笑
9割の人は抜いた革の方を使います。
ビジューなんかとの相性もいいです。
いろんな形やサイズがありますので。
本当は、染めるところからキットにできるとよかったんですが。
楽しいと思いますよ。
今回のキットはこれまでの話で分かるように、市販のものでほぼできます。
染料なんて、400円くらいですから。
他のものも数百円程度のものが多いです。
ですので、これで「火が点いた!」というかたはぜひぜひご自身でも集めて作ってみてほしいです。
値段が高いとしたら革かな。
ピアス作るようのサイズでは売ってないですからね。A4からでしょうか。
いっぱいできちゃいますね。笑
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レザー ヴィオラ ピアス キット
はピンクとブルーの2色展開。
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