journal gris

2022.11.24

ソレイユローズ ヴィンテースパンコール

Soleil Rose ソレイユローズ ヴィンテージスパンコール

 

1004-372

 

[history]

美しいスパンコールについて説明する前に、
ひとつの物語をご紹介させてください。

1960年代にパリに渡ったシャンタール細川さんという女性がいます。
1929年に洋裁店を営むご両親の元に生まれ、東京の美容学校で学びながら美しいものに憧れ、パリへ向かいました。
当時のことですから、船便で1か月かけてマルセイユに、そこからさらに時間をかけてパリに入ります。

渡仏後は香水店で働き、さらには画廊やレストランを経営するようになりました。
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当時のシャンタールさんのお写真や、日本の雑誌に掲載された記事のかっこいいこと!

そしてそんな才能あふれるシャンタールさんは、
ひとりの男性と出逢います。

ジャック=ノルバルさんは、パリで活動するアーティストであり、実業家。
自由で、大きな愛にあふれた方で、
シャンタールさんからジャックさんのお話を聞くたびに、その場にいる皆が笑顔になります。

旅行に誘われ、地図を頼りにとある島に辿り着いたら、ヌーディストビーチだった!なんていうチャーミングなエピソードも。

そんなジャックさんは、
ある日から、シャンタールさんの画廊に毎日1輪のバラを送り続けたそうです。
1990年に結婚し、
セーヌ河に浮かぶ船「Soleil Rose号」に暮らし、
人をもてなすことの好きなおふたりは、多くの方を招いてパーティーをたくさんしたそうです。

しかし、残念ながら1998年にジャックさんは他界してしまいます。
ジャックさんからシャンタールさんへの遺言を読ませていただいたのですが、
シャンタールさんへの愛と、リスペクトと、笑顔で暮らして欲しいことが綴られていました。

ジャックさんについて語る時のシャンタールさんは、
年上の方に失礼かもしれませんが、とても可愛らしく、
大きな愛を受け取っていた方なのだなと、お話を伺うこちらまで幸せな気持ちになります。

2022年現在、シャンタールさんは92歳。
変わらず美しいものを愛し、パリ在住ながら、数ヶ月に一度は来日して活動していらっしゃいます。
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[about products]

お待たせしました。スパンコールのお話です。
今回「ソレイユローズ」の名前でご紹介しているスパンコールは、1920年代以降に生産され、
1940年頃から、パリの百貨店で販売するアクセサリーの材料として使われてきたものです。
ジャックさんのデザイン画も数多く残っています。

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ジャックさんが所有し、その後シャンタールさんが受け継ぎ、
90年代末ころより、日本のハンドメイドイベントなどで販売してきました。

「Soleil Rose」=「ソレイユ ローズ(太陽とバラ)」
は、ジャックさんが掲げていた理想の言葉で、
アクセサリーのブランド名として、また2人の暮らした船の名として、ジャックさんの描いた街の絵画のタイトルとして、
様々な場面で使われてきた言葉です。
今回、このスパンコールをご紹介するにあたり、ブランド名は何が良いでしょう?とシャンタールさんに伺ったところ、
迷わずこの言葉をご提案いただきました。

原画は、もちろんジャックさんによるものです。

soleilrose_logo

historyの素敵さは上記の通りなのですが、
スパンコールそのものもとても魅力的です。
ものによっては100年近く経っているだけあり、今ではあまり見ない形状のものもたくさんあります。
特に立体的な造形のものは、それだけでアクセサリーの主役になりそうな存在感です。
不思議に艶めき、絶妙な色合い、不思議な構造。
ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思い、この度grisからもご紹介させていただくことになりました。

 

 

[future]

今回のお話は、シャンタールさんを、
ヴィンテージ手芸用品のルールブルーさん

https://shop.lheure-bleue.jp/

にご紹介いただき、スタートしました。

現在、ルールブルーさんでは、ソレイユローズのスパンコールを一部、オンラインショップで取り扱い中です。

2022年11月現在、grisではもっと詳しく「ソレイユ ローズ」スパンコールをご紹介するために、
冊子やキットの制作を進めています。
ぜひお楽しみに!

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