2017.1.19
「Bead Art(2017年冬号)」掲載仕事柄、毎月さまざまなジュエリーの展示会にお邪魔します。
大規模なバイヤー向け合同展示会、
作家さん数人のこじんまりとしたもの、
最近流行りの地場産業をベースにしたもの(例えば、陶器や藍染めなど)。
数年前はパールが大流行でした。
クラシカルなネックレスはもちろん、キャッチに使ったり、
樹脂に閉じ込めたり、絵を描いたり。
和風なテイストも多かったですね。
ちょっと前は、ガラスが流行りました。
少しモードな気分だったのでしょう。
そして最近、ぐっと増えてきたのが「やわらかい素材」です。
糸や布、そしてレース。
言葉から、可愛らしいナチュラルテイストを連想されるかもしれません。
ロングスカートを履いた「森ガール」のような。
でも、違うんです。
もっとカチッとしていて、洗練されていて、ジュエリーと呼ぶに相応しい、
そんな絶妙な「やわらかさ」が今の気分なのだと思います。
流行ってますね。
「手づくり」の中で、ここ数年一番市場が広がったジャンルです。
この流行、いままで手づくりをしてこなかった方が
「この図案なら刺してみたい」
「このアイテムなら使いたい」
と参加しているためと言われています。
「北欧」や「シンプル」がキーワードなライフスタイルと相性がよかったのでしょう。
ただ、その流行からも2-3年が経ちました。
「ハンカチの隅の素朴なワンポイント刺しゅう」にも、少し飽きがきた昨今。
本格志向のもや、シンプルな中にもラグジュアリーさのあるものが求められ始めています。
先の「やわらかさ」「糸・布」「ラグジュアリー」が混じり合う場所が
この「ビーズ刺しゅう」だと思います。
もちろんこの先にはより本格的な
オートクチュール刺しゅうの世界が待っているのですが、
まずは手軽なビーズ刺しゅうがスタート地点だと思います。
「トレンド」という言葉は人為的な香りがするのであまり使わないのですが、
「時代の気分」は確かにあって、
多くの人が無意識に求めることでできています。
いつものジュエリーとはまた別に、もしくはその作風を取り入れて。
今の気分が詰まった手づくり、ビーズ刺しゅうを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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「Bead Art(2017年冬号)」に掲載されました。
■「オトナのビーズ刺繍ブローチ」(マガジンランド)¥1,350−
著者 MON PARURE
シンプルにシードビーズで作ることができます。