journal gris

2015.8.5

arco-iris 近藤マリコさん

arco-irisのキットができるまで・後編

前編はこちら

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レザー タッセル ピアス キット

元々書籍でご紹介しているタッセルは、片耳にひとつずつなんですよね。
でも、これは2個セット。

タッセルって、2個セットなことが多いかなと思いまして。
靴についてたりするのも、2個セットですよね。

タッセル、かわいいですよね。
毎シーズン、作ってます。
何かしら、形を変えて。

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タッセルの作り方。くるくる巻いて作ります。

わたしもタッセル大好きです。笑
革のタッセルって、この作り方がスタンダードなんですか?
この長方形な形からできるのに、感動しました。

糸から作るタッセルって、全然違う作り方ですよね。

刺繍糸みたいに巻いて、真ん中をきゅーっと縛って、二つ折りにして、くびれ部分をまた巻いて…。

でも、革って厚みがあるので、二つ折りにするとものすごく厚くなっちゃうんですよ。

大きいものだと、キャップをかぶせて、接着させることもありますね。
もちろんものによって作り方は様々です。

特に今回は、巻く部分とフリンジの部分が1枚からできる簡単バージョンです。

巻く部分を別の革にすると、色も変えられるし、あと捨てる部分も少なくてすむかもです。

 

そしてこのタッセル、色がかわいいですよね。

カバンやベルトだと合わせやすい茶色系の色が多いですが、アクセサリーに落とし込むならもう少しカラフルでもいいかなーと思って作ってます。

アルコール染料は、混ぜられますしね。絵の具みたいに。

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今回のキットは3パターンです。金具の色も使い分けています。

 

 

染め方も、出したい色や革に合わせて変えています。

これは元の革に色があるのでいいんですが、
真っ白な革を染める時って、色が鮮やかに出過ぎちゃうときもあるんです。

ものによっては、ちょっと安っぽかったりして。
そんな時は、1、2滴茶色を混ぜたりしています。
もしくはうすーく茶色に染めてから、色を入れたりとか。

なるほど!

ほんの1、2滴で色のトーンが変わります。

例えばこれは布ですが、これも上に乗っているものはうすーい茶色の液に浸しています。

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同じ布を染めたもの。

真っ白の状態だと、なんていうんでしょう、給食の割烹着みたいな色です。笑

茶も、「黄茶」「こげ茶」「赤茶」で違うので、入れるものによって変わりますね。

この辺は、コサージュで習ったことを応用してますね。

1点ものだといいんですけど、この辺の色味は量産するのが難しいです。
微妙な色合い過ぎて……。

 

 

革のビジュー

本で泣く泣く掲載できなかったこちら、ご紹介させてください。

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真ん中のビジュー、革製です。

これは、アクリルのビジューを薄い革でくるんで作っています。
ただ、こんな風に巻ける薄い革がなかなか手に入らないですからね……。
書籍への掲載は難しかったですね。

革屋さんで漉いてもらったり、あとはシープとか伸びる革だと巻けるかも。

やっぱり本やキットで見せられるものって限りがあるんですよね。
革の世界、本当はもっともっといろいろあるんです。

 

今回の本やキットだけでもけっこうな技法が載っていますが、
それでもレザークラフト定番の縫ったり削ったりは全くやっていないですし。

ご興味ある方は、ぜひぜひのめり込んでみて欲しいです。

・・・・・・・・・

レザー タッセル ピアスは

こちらからお求めいただけます。

 

designer:近藤 マリコ

革製のアクセサリーブランド、a r c o – i r i s(アルコイリス)のデザイナー。 著書に「革でつくるアクセサリーのレシピ」(マガジンランド刊)がある。物が溢れるこの時代に「他にはない大切にしたいもの」 を届けるために、今日も東京下町のアトリエで製作中。
arcoiris-condona.net